この記事ではフリーランス(業務委託で開発案件を受注して生計を立てている人)の人が社内SEに転職するの時のポイントをお伝えしています。
私は、社内SEを5年経験した後に、人事にキャリアチェンジして15年以上経ちます。
上場企業3社で人事をしてきましたが、実際にフリーランスの方を社内SEとして採用したこともあるので、その時の経験も踏まえてフリーランスから社内SEに転職するの時のポイントを整理していきます。
1. 経験と年齢が鍵
社内SEを中途採用する際に、企業が最も重視するのは「経験」と「年齢」です。
まず、職務経歴書で「この年齢の割に経験をたくさん積んでいるな」と採用担当に思われることが、書類選考を通過するポイントです。
例えば、30代前半であれば「30歳の時点で大規模プロジェクトのリーダーを務めた」というような具体的な経験を強調しましょう。
また、40代であれば「20年以上の開発経験に加え、最新技術への対応力がある」といったアピールポイントを加えることが効果的です。
社内SEとして働く場合、主な業務は社内のユーザーと要件定義を行い、それをベンダーや協力会社に発注・ディレクションすることがメインになります。
社内SEは、システムの運用保守やユーザーとのコミュニケーション能力、社内のビジネスプロセスに対する深い理解を培うことができますが、技術面での深い知識や新しい技術の習得には限界があるんですよね。
そう、社内SEって、技術力が弱いんです。一般的には。
「技術に強い社内SEがいないから中途採用しよう」ってなるパターンはけっこうあります。
技術力に強いフリーランスが狙うべきポジションは、こういうところです。
なので、開発経験を職務経歴書でしっかりアピールすれば、フリーランスの方にもチャンスがあります。
具体的には、過去のプロジェクトでどのような技術を使用し、どのような成果を上げたのかを詳細に説明することが重要です。
たとえば、「Pythonを用いたデータ分析基盤の構築を行い、クライアントの業務効率を50%向上させた」や「AWS環境でのインフラ構築を主導し、稼働率99.9%を達成した」といった具体的な成果を記載することで、あなたの実力をしっかりと伝えることができます。
さらに、転職活動では、IT系に強い転職エージェントに登録し、キャリアアドバイザーに職務経歴書の添削を依頼することをお勧めします。
かならずIT系に強い転職エージェントに登録して、キャリアアドバイザーに職務経歴書を添削してもらうこと。
彼らはプロなので、本当に職務経歴書を作るのが上手い。
私も転職エージェントを使ったことがありますが、自分で書いた職務経歴書をサッと読んだだけで私の強みを2つ挙げ「こんな風に書くと良いですよ」とスラスラ例文を言ってくれて感動しました。
人事なのに思わず「すごいですね!」と拍手をしてしまいました。
2. フリーランスから正社員に戻る理由を明確に
企業がフリーランス経験者を採用する際に最も気になるのは、「なぜフリーランスを辞めて正社員に戻ろうと思ったのか」という理由です。
採用担当者は、「フリーランスでうまくいかなくなったから会社員に戻るのではないか?」という疑念を持つことが多いです。この疑問に対して、正直かつ前向きな理由を伝えることが成功の鍵となります。
例えば、「フリーランスとして一定の収入は確保できているが、営業活動が苦手で、開発に集中したい」といった理由や、「今は問題なくフリーランスとして活動できているが、将来の安定を考えてキャリアチェンジをしたい」といった理由を挙げると良いでしょう。
具体的なエピソードを交えると、より説得力が増します。
たとえば、「過去に大手クライアントからの大規模案件を受注し、成功裏に終わらせたが、その後の営業活動が思うように進まず、安定した収入を得ることが難しいと感じるようになった」や「フリーランスとしての生活は自由度が高く魅力的だったが、40歳を迎えるにあたり、長期的なキャリアプランを見直す必要があると感じるようになった」といった具体例を挙げることで、採用担当者に共感を得やすくなります。
そこそこの会社数を受ける必要はある
フリーランスから正社員に戻る際、全ての企業が寛容であるわけではありません。
中には、フリーランス経験をあまり評価しない企業も存在します。そのため、転職活動では多くの企業に積極的に応募することが重要です。
まず、職務経歴書を完成させたら、転職エージェントや転職サイトに登録し、できるだけ多くの企業にエントリーしましょう。
応募する企業の数が多ければ多いほど、書類選考を通過する可能性も高まります。特にフリーランスからの転職では、選考のハードルが高くなることもあるため、あらかじめ多くの応募先を確保しておくことが成功への近道です。
また、書類選考で落ちることを恐れず、早めに転職活動を始めることが大切です。
年齢が若いほど転職市場での競争力が高まるため、できるだけ早く行動を起こすことが推奨されます。
実際に私の知る限り、30代前半の方が40代後半の方よりも早く内定を得るケースが多いです。これは、企業側が若い人材に将来性を感じやすいことが理由の一つです。
例えば、「40代になる前に転職活動を完了させた方がいい」といったアドバイスを受け、実際に行動した結果、短期間で内定を得た事例もあります。
このように、年齢が転職活動に与える影響を理解し、早めに行動することが、フリーランスから正社員へのスムーズな転職を実現するための重要なポイントです。
以上のポイントを押さえ、しっかりと準備を整えた上で、社内SEとして新たなキャリアをスタートさせることを目指しましょう。
転職は一つの大きなチャレンジですが、正しい戦略と準備を持って臨めば、必ず成功へと導くことができます。