この記事では、ホワイト企業に勤めているけど「給料が低い!」と悩んでいるあなたへ、転職を考える前にぜひ読んでほしいお話をお届けしたいと思います。
15年以上、上場企業の人事部で働いてきた経験から、お伝えしたいなと思います。
この記事がイメージしているのは、こんな方々です。
- 入社5年目の26歳。インフラ系の社内SEで、在宅勤務もできて残業も月10時間以下。だけど、月収20万(手取り17万)+ボーナス7ヶ月分で年収400万。
- 都内の中小メーカーの営業で働いて5年。残業もほぼなく、上司・同僚も温厚で働きやすい。ただ、年収420万。大学の同期と比べて100万以上少ない…
こんな感じで、「働く環境はホワイトだけど、給料が安い。」ということで、転職を考えている人にぜひ読んでほしいです。
ホワイトな環境と言うのは、かけがえのないもの。
「人間関係に恵まれ職場環境への不満はない」「残業もほとんどなく人間関係も良好」
そんなホワイトな環境と言うのは、かけがえのないものです。
すでにお気付きだと思いますが、働く場所って1日8時間以上を過ごすわけで、ホワイトな環境というのは、自分にとっての「資産」と言っても差し支えないものです。
基本的には、一度手に入れたら手放してはならないものだと思います。
こうしたホワイトな環境は、実は、転職市場でも非常に希少価値が高いです。
給料が低いという点は確かに大きな悩みだと思いますが、職場の雰囲気や人間関係の良好さ、残業の少なさなどは、簡単に見つかるものではありません。
これらの要素が揃った職場環境を持っているというのは、大きな財産です。
転職によって年収アップを目指すのは、当然のことです。
しかし、転職先の職場環境や人間関係が現在のものよりも良好であるかどうかは、実際に入社してみないとわかりません。
新しい環境に飛び込むということは、多くの未知数が存在し、そのリスクを考慮する必要があります。
基本的に、ホワイトな環境にいる人が転職することは、相当に慎重になるべきだと考えています。
それに、転職すること自体が、一時的に心身ともにストレスがかかることも忘れないでほしいです。
転職活動は、面接や手続きなどで時間と労力を要し、一時的に心身に負担がかかることも少なくありません。
もっと言えば、人間は変化に対して弱い生き物です。
特に、ストレスの少ない状態からストレスの多い状態に変化することは、想像以上に大きな負荷がかかります。
私自身、1回目の転職は失敗しました…上司が合わず、ストレスがすごかったです…(遠い目
「給料が低い」というのは相対的なもの。
「給料が低い」と感じるのは、多くの場合、同年代の友人や同僚と比較した結果です。
しかし、その比較が本当に自分にとって意味があるのか、冷静に見つめ直すことも必要です。
本当に自分が望む生活レベルに達しないのか、将来的な視点で考えることが大切です。
現在の給料が低いと感じても、将来的に自分が望む生活レベルに達する可能性があるかどうかを考えることが重要です。短期的な不満に捉われず、長期的な視点で見つめ直すことが大切です。
それに、本当に自分が世間一般に比べて給料が低いのかは、確認しておきましょう。
厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、30歳~34歳の平均年収は449万円です。(月収は30万9,100円、賞与が77万8,400円)
思ったよりも低く感じませんか?
(もちろん、住んでいる場所などでまったく違うので、平均と比べることにあまり意味はないのですが)
なにより、転職して年収をアップさせることよりも、現状の支出を見直して固定費を減らす方が、実際には簡単で効果的な場合がほとんどです。
支出の見直しをすることで、現在の給料でも十分に満足のいく生活を送ることができるかもしれません。
それでも転職を考えるなら…
ただ、人間は比較する生き物なので、年収という数字で表されるモノサシで感じる劣等感みたいなものはずっと残るとは思います。
肌感覚としては、日本の平均と比べるよりも、友人との比較で劣等感を感じるものですし。
「他人は他人、自分は自分」と割り切れるのならよいのですが、なかなか難しいんですよね。正直、私もそうです。
あと、結婚して子供を持ちたい、という希望が少しでもあるのであれば、1歳でも若いうちに転職した方がよいのも事実です。
上場企業で採用を担当していますが、ハッキリ言って、年齢は確実に見ます。
余程のスキルセットがなければ、35歳以降の転職は厳しいと思ってください。
自分一人ならよいが、家庭を持つ、というのは、それだけ支出も増えるし、子供にひもじい思いをさせるのは、仕事のストレス以上に、ストレスフルなことです。
そういう人なら、転職活動をしてみて、自分が納得できる職場が見つかれば、転職した方がよいと思います。
転職活動を行う際には、以下のポイントを押さえておくことが重要です。
①年収は業界で決まる
業界によって年収は大きく異なります。転職先の業界の給与水準を事前に調査し、現実的な期待値を持つことが必要です。
②若い時の転職の方がリスクが少ない
若いうちに転職することで、リスクを減少させることができます。新しい環境に順応する柔軟性が高いためです。
③OPENWORKなどの口コミサイトは必ず確認。ただ、配属となる職場がホワイトかどうかは運もある、と割り切ること。
口コミサイトを活用して、転職先の情報を収集しましょう。ただし、実際の職場環境がどうなるかは運も関わるため、すべてを鵜呑みにせず、現実的な期待を持つことが大切です。