この記事では、「新卒で落ちた会社に中途で応募して受かるか?」というテーマに向き合おうと思います。
これまで、上場企業3社で人事をしてきましたし、多くの人事マンと会話してきて言えることは、「企業側は、新卒で応募してきたときの情報に照らし合わせないので、新卒採用で落とした人かどうかを確認する方法がない。」ということです。
経験者採用で応募して受かるかどうかは別問題ですが、もし、新卒採用の時にいきたかった会社が経験者採用をしているのであれば、普通に応募すればよいと思います。
そもそも新卒採用時の情報を確認できない
まず、新卒採用と中途採用では応募者管理システムが異なることがほとんどです。ですから、採用担当が「この人は、新卒採用の時に応募してきた人かな?」とわざわざ調べることはほとんどありません。
実際、私が経験した上場企業3社でも、新卒と中途の応募者管理システムは完全に分かれていましたし、名寄せ確認することもありませんでした。
また、多くの会社では、新卒採用の応募者データを1年程度で削除します。自分の会社の社員でない人の個人情報をいつまでも社内保存するリスクを負いたくないからです。
このため、中途採用時に「新卒時に応募した人かどうか」をチェックする仕組みがないのが現実です。なので、新卒採用で不合格になったということを、採用担当が把握することはほとんどありません。
また、「採用担当に顔を覚えられているかも…」と心配になるかもしれませんが、正直、数年前に応募してきた学生のことを覚えている採用担当はあまりいないです。
「新卒採用の時、けっこう、濃い会話もしたし、覚えられているかも…」と心配になるかもしれませんが、1年間で数百人の学生と会っているわけですから、よほど記憶力のよい採用担当でなければ、覚えてないです。
あと、新卒採用と経験者採用では、担当者が違う会社の方が多いので、過度に心配しなくて大丈夫です。
新卒時の不合格を伝えるべきか?
新卒時に不合格だったことを中途採用の際に申告するべきかどうかは、多くの方が悩むポイントだと思います。
結論から言えば、新卒時の不合格を中途採用の際に伝えない方がよいです。
転職エージェントにも「新卒採用の時に落ちた会社なんです。」と伝える必要はないと思います。(別に伝えてもよいですが、意味ないです)
採用担当者としては、仮に中途採用で合格を出せると判断した場合でも、「新卒時の不合格の判断が間違っていた」という社内批判になりかねないな、と思うかもしれないからです。
新卒採用の判断基準と、経験者採用の判断基準は違うので、「新卒時の不合格の判断が間違っていた」なんていうのは、的外れなことだと思うのですが、会社ってそういう面があるんですよねぇ…
あと、採用担当者が過去の不合格を知ることで、無意識に先入観を持つリスクがあります。
「新卒採用時には基準を満たさなかった人なんだな」という先入観を持たれた状態で、経験者採用の面接に臨むのは、あまり得策ではないです。
フレッシュな目線で、新たな応募者として公平に評価される方が絶対によいです。
中途採用で再チャレンジする時のポイント
最後に、新卒時に不合格だった会社に再挑戦する際のポイントをお伝えします。「第二新卒」と「(普通の)経験者採用」で分けてお伝えします。
第二新卒の場合
第二新卒は、多くの場合、社会人経験が3年未満の人を対象に選考されます。
もし、新卒で落ちた会社が第二新卒で採用募集しているのであれば、即戦力的なスキルセットよりもポテンシャルを重視していることがほとんどです。
新卒で入社した会社で何を学び、どんな成長があったのか、なぜ、3年程度という短い期間でキャリアチェンジしようと思ったのか、ということを熱意を持ちつつ、説得力のあるロジックで伝えられるかどうかだと思います。
あと、できれば、業務経験以外に自己啓発で伸ばしたスキルもあった方が、差別化につながると思います。英語(TOEIC)や簿記などの資格取得は、分かりやすいアピール材料です。採用担当としても、採用判断の一つにしやすいです。
また、企業の採用HPから直接エントリーも悪くないのですが、その場合でも、転職エージェントに登録して、職務経歴書のチェックは受けてください。職務経歴書を何百枚と見てきたアドバイザーに職務経歴書を見てもらってからエントリーした方が合格率は高まります。
採用担当の目線で言えば、リクルートエージェント経由で提出される職務経歴書は、レベルが高いと思います。最大手だけあってノウハウが蓄積されています。
あと、第二新卒の専門エージェントの第二新卒AGENTneoから出てくる職務経歴書もよく練られているので、この2つのエージェントにチェックしてもらうとよいと思います。
普通の経験者採用の場合
第二新卒ではない普通の経験者採用の場合、募集職種にスキルセットがマッチしているかどうかが、まず最初の選考基準になります。
もし、新卒採用で落ちた会社が募集している職種に、自分の経験がマッチするのであれば、迷わずエントリーしてよいと思います。また、経験者採用では新卒採用時ほど学歴が重視されないため、実務経験やスキルが直接評価される傾向があります。
第二新卒と同様に企業の採用HPから直接エントリーも悪くないのですが、その場合でも、転職エージェントに登録して、職務経歴書のチェックは受けてください。
やはり、リクルートエージェント経由で提出される職務経歴書は、レベルが高いと思います。最大手だけあってノウハウが蓄積されているので、職務経歴書をアドバイザーにチェックしてもらいましょう。
まとめ
新卒で入りたかった会社にチャレンジする、ってかなり勇気のいることだと思います。
ただ、採用担当は、新卒採用時の情報をチェックしにいくことは、ほぼないですし、覚えてないことがほとんどです。
中途採用をしている、ということは、ポジションが空いている、ということですから、スキルセットがマッチしていれば、新卒採用よりも採用の可能性が高いことがほとんどです。
(あと、新卒採用より倍率が低いことが多いです)
過去の不合格は、あまり良い思い出ではないと思いますが、気にせずチャレンジすればよいと思います。