この記事は、「金融機関に勤めているけど、メーカーに転職しようかな。でも、年収は下がるだろうな。」とモヤモヤしている人に向けて書きます。
私は、大学を卒業してから10年間、金融機関で働いていました。
最初の5年は社内SEとして働き、後半の5年は人事部で採用や教育の仕事をしていました。特に人事部での業務は楽しく、充実したものでした。
金融機関での処遇は恵まれていました。
入社6年目の28歳で年収は800万円、30歳の時には850万円になっていました。
おそらく、37歳くらいで管理職になり、年収1,000万円は超える見込みでした。
ただ、今、振り返ると、上司からのプレッシャーは相当にあったと思います。業務量も多かったですし、残業もかなりしていました。
ただ、その時は、「どんな仕事も、こんなもんだろ。そこそこ高い給料もらっているんだし。」と思い、転職を考えることはほとんどありませんでした。
しかし、32歳の時に東京から四国への転勤を内示されたことが転機になりました。
金融機関では全国転勤が当たり前だと分かって入社しました。
だけど、22歳の時の価値観と32歳の時の価値観は違うんですよね。
特に、結婚を控えていた私にとって、東京から四国への転勤命令は受け入れがたいものでした。
これまで一度も経験したことのない営業支援の業務になることに加え、結婚を控えていた私にとって、転勤命令は受け入れがたいものでした。
ということで、急遽、転職することにしたんですよね。
「こりゃー、やめるしかないな!」と転職すること自体にはあまり悩みはありませんでしたが、会社の上司からの圧力もあり、非常に辛い退職の仕方をすることになりました。
お世話になった方々に挨拶もできないまま退職することになったのは、心残りでした。
その後、不動産会社に転職しましたが、2年ほどで退職しました(この話は別記事にします)。34歳の時にメーカーに転職することになりました。
転職する際、いちばんの不安は年収水準でした。
「メーカーって給料が安いのではないか」という先入観があったからです。
しかし、事前に調査をしてみると、メーカーと一口に言っても年収水準は千差万別であることが分かりました。
転職エージェントとやり取りし、転職口コミサイトを徹底的に調べた結果、希望するすべての条件を満たすメーカーに出会い、転職を果たしました。
入社後は在宅勤務をメインに、自分の得意な仕事をし、残業も少なく、とても満足しています。そして39歳で管理職となり、年収も1,200万円を超えるようになりました。
金融からメーカーに転職して、感じていることをまとめます。
- メーカーでの仕事のストレスは、金融に比べて非常に緩い。
(いわゆる「ゆるっとした日系メーカー」って、実在するんですよ…) - とにかく上司からの圧力が少ない。
- 年収は思ったより高い。39歳で管理職になり、年収1,200万円。トップ金融には及ばないが、金融の2番手には入る感じ。
- メーカーの部長の年収は1,500万から1,600万。部長になるのは48~53歳くらい。
- 本部長以上になるのは極めて狭き門で、これは金融も同じ。
- 在宅勤務が普通にできる。
- 希望する勤務地をすごく考慮してくれる。意にそぐわない転勤が少ない。
- 金融は、ある時点を境に年収が下がり始める。一方、メーカーは60歳になるまで昇給し続ける。(メーカーでも部長級まで出世すれば、金融と生涯年収はそこまで変わらない感じ)
- 60歳以降のシニア再雇用の年収水準が実はメーカーの方が高い。定年時点の年収の6割水準で、金融は5割以下。
以上の経験から、金融業界が辛くなった時には、しっかりと会社を見極めた上でメーカーへの転職も選択肢に入れることをおすすめします。