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人事が教える社内SEの求人の見つけ方|避けるべき案件や穴場案件の見つけ方を徹底解説

この記事は、「社内SEの求人ってどうやって探せばいいの?」「転職サイトや転職エージェント以外によい方法あるの?」「ホワイトな社内SE案件の探し方が知りたい。」というリクエストに応えて書いています。

ハルオ

私は金融系の社内SEを5年経験した後、人事にキャリアチェンジして上場企業で採用を担当しています。

実際に社内SEの方を多く採用してきましたが、社内SEの採用には、他の職種とは違うちょっと特殊なポイントがあります。

この記事では、いわゆる「おいしい求人案件」の探し方をお伝えしていきたいと思います。

社内SEの求人は安定して増加。年収も安定。

社内SEの求人は増加傾向で、年収も安定して高水準です。

私もこれまで上場企業3社で人事をしてきていますが、業務DX化のニーズが年々強まり、社内SEの中途採用が途切れることはありませんでした。

社内SEの求人数は増加傾向

基本的に、社内SEの求人数は増加傾向にあります。

リクナビNEXT、doda、マイナビ転職といった主要な求人サイトで要な転職サイトでの「社内SE」の求人数の推移は下記のとおりです。グラフからもわかるように、社内SEの求人件数は年々増加しています。 ​

各転職サイトの最新の求人件数は下記のとおりです。

  • リクナビNEXT:約 2,500件
  • doda:約 2,200件
  • マイナビ転職:約 1,800件
    ※上記の数字は記事執筆時点のものです。

狙い目の業種

基本的に社内SEの求人が多いのは製造業(メーカー)です。

そして、転職先として狙うべきは、「処遇水準の高いメーカーの社内SE」です。ここがいちばん、「処遇水準が高く、残業とストレスが少な目で、安定して長く勤められる」からです。

一方、金融機関や通信キャリアの社内SEも処遇水準は高めなのですが、ストレスも高めです。ストレス耐性に自信があるのであればよいのですが、あまりオススメできないです。

メーカーと言うと給与水準が低いというイメージがあるかもしれませんが、それはまったく違います。「何を作っているメーカーなのか」で何もかもが違います。たとえば、半導体製造装置のメーカーの社内SEは極めて給与水準が高いです。

社内SEに転職する際にいちばん重要なのは、業界選びです。それで給与水準やら働き方が決まると言っても過言ではありません。

「この業界の社内SEに求められるスキルセットと処遇水準はだいたいこれくらい」という情報は、転職エージェントがノウハウとして蓄積しています。

なので、ひたすら転職サイトを検索するのはやめて、転職エージェントに登録してアドバイザと面談して情報を得るのが、おいしい求人に辿り着くいちばん早くて確実な方法です。

社内SEの給与水準

一般的に、社内SEの平均年収は以下の通りです。

  • 経験年数3〜5年の場合450万円〜600万円
  • リーダー・主任クラス650万円〜800万円以上
  • マネージャ・管理職クラス:900万円以上

ただ、これはあくまでも平均年収のイメージで、うまく会社を選べばアップサイドを上げることができます。

実際に、私が働いている大手メーカーでは上記よりも2割ほど高い年収水準になっています。

「おいしい社内SEの求人」の探し方

ここからが本題です。おいしい社内SEの案件の探し方は次の通りです。

  1. 転職エージェントに登録する(3つくらいがベスト)
  2. アドバイザーと面談し、処遇水準が高い社内SEの業種を聞く
  3. 紹介案件を待ちつつ、求人検索する

「え、普通じゃん」と思うかもしれませんが、この基本動作ができていない人が多いんですよね。

①転職エージェントに登録する

社内SEに限らず、求人の探し方は主に次の5つです。

①転職エージェント
②転職サイト(リクナビNEXT、マイナビ)
③ダイレクトリクルーティング(ビズリーチなど)
④リンクドインなどのビジネスSNS
⑤企業の採用ホームページ

そのうえで、社内SEの求人案件をどのように探せばよいのかというと、①転職エージェントと③ダイレクトリクルーティングの2つです。

なぜなら、①転職エージェントと③ダイレクトリクルーティングが大企業の主な求人方法だからです。

正直、社内SEになろうとしている時点で、「あんまりしんどすぎない環境で、それなりの処遇水準で働きたい」って思ってますよね?

そういう環境って、「大企業の社内SE」しかないんですよね。メガベンチャーの情シはやめておくべきです。(メルカリとかサイバーエージェントとか…)

大企業の採用担当がどのような手段で応募をかけるか、というと、①転職エージェント、②転職サイト、③ダイレクトリクルーティング、⑤企業の採用ホームページとなります。

そして、応募する側としては、できる限り自分の望む働き方(年収、活かせるスキル、残業時間、勤務地など)のできる案件に限られた時間で辿り着きたいわけです。

そうなると、①転職エージェントと③ダイレクトリクルーティングの2つになるんですよね。

②転職サイトも悪くはないですが、エージェントとダイレクトリクルーティングを使えばカバーできてしまいます。なぜなら、エージェントに登録すると自然と転職サイトのアカウントも発行されて使えるようになるからです。

⑤企業の採用ホームページを探すのも、時間がかかりすぎますし、その案件が自分に合っているかの見極めができないのでオススメできないです。

「転職エージェント経由ではない方が企業側に採用コストもかからないので、採用されやすい」という説は無視してください。確かに、エージェント経由で採用すると、企業はエージェントに手数料を支払いますが、そのコストをケチるような財務状態の会社で働かない方がよいです。しっかりとエージェントに手数料を払ってでも良い人材を採用しようとしている会社で働くべきです。

ちなみに、社内SEの求人案件で「非公開案件」ということは絶対にないです。採用を担当する人事の立場からすると、非公開にする理由がないからです。

だって、できる限り多くの募集者から「スキルセットの合う応募者」の職務経歴書を情シ部門のマネージャに送ることが、経験者採用を担当する人事の仕事なんですよ。

よく、「採用活動をしていることを他社に知られたくないから非公開で求人を出す」という記事を見ますが、社内SEの求人でそのようなことはあり得ません。

役員かそれに近しいポジションをヘッドハンティングで採るときには非公開で採用活動をすることはありますが、社内SEではそんなことは絶対にないです。そういう、企業で採用活動をしたことがない人が書いた記事に惑わされないようにしてください。

どの転職エージェントに登録すべきかは下記の記事にまとめています。

②アドバイザーと面談し、処遇水準が高い社内SEの業種を聞く

身も蓋もない話ですが、おいしい社内SEの求人の情報は、転職エージェントに集まります。

転職エージェントは、入社初年度の想定年収×30%を手数料として企業からもらうビジネスモデルです。なので、各社の処遇水準はしっかり把握しているんですよね。

ここからがポイントなのですが、転職先に求める要件をアドバイザーに伝える時には、次のように伝えてください。

「社内SEに転職するにあたり、重視するのは業種です。正直なところ、社内SEとして事業会社に転職する以上は処遇水準の高い業種が望ましいです。今のトレンドからして、どの業種の社内SEがおすすめですか?」

このように聞けば、エージェントはあなたのスキルセットが合う中で、処遇水準が高めの業種を教えてくれます。(それが彼らの仕事だからです)

たまに、転職エージェントに処遇水準の高い業種を聞くのを躊躇する人がいるのですが、遠慮する意味はないです。なんどでも言いますが、転職案件をあっせんするのが彼らの仕事だからです。

③紹介案件を待ちつつ、求人検索する

転職エージェントのアドバイザーと面談をしたら、続々と案件がメールで送られてくるので、気になる求人に応募していきましょう。

あと、どの転職エージェントも、求人検索システムが使えるようになるので、アドバイザーに教えてもらった狙い目業種で求人がないかを常日頃から検索して探しましょう。

書類選考の通過率は一般的には30%と言われています。書類選考で落ちても気にせずに、エントリーし続けることが重要です。

オープンワークは必ずチェック!

社内SEへの転職に限りませんが、応募する前に必ずオープンワークで口コミをチェックしましょう。

人事の目線から自社の口コミを読んでも、それなりに真実を得ていることが多いです。

オープンワークは職種を選んで口コミを確認することができますが、職種を選ばずに、直近5年以内の口コミはすべて読んだ方がよいです。社内SEの口コミだけではなく、他の事業部の口コミを読み込むことで、会社全体の解像度が上がるからです。

もちろん、口コミというのは、会社に満足している人よりも、満足していない人の方がトーンが強めになるので、ネガティブな口コミの方が多めになっているパターンが多いので、すべてを真に受ける必要はありません。

しかし、ネガティブなことばかり書かれている会社もあるので、そういう会社は避けるというネガティブチェックの意味で、口コミにはできる限り目を通しましょう。

応募書類と面接対策

最後に、社内SEへの転職における応募書類と面接のポイントを整理したいと思います。

履歴書・職務経歴書のポイント

まず、書類選考でだいたい70%以上が落ちます。

正直、年齢などのどうしようもない理由で落とされることもあるので、それはどうしょうもないのですが、ほとんどの場合、募集ポジションとのスキルセットのアンマッチが原因です。

では、どうすれば書類選考の通過率が高まるか?

それは、希望する業界の社内SEの募集要項を多く読み、募集要項に書かれているワードを職務経歴書に盛り込むことです。

たとえば、こんな募集要項があったとして、自分が当てはまる部分をそのまま職務経歴書に記載しましょう。

・開発基盤の検討、設計、構築
・全社横断で活用可能なIoTプラットフォームの開発
・医用・バイオ事業に関わるデジタルソリューションソフトウェア開発(血液自動分析装置など)
・導体計測・検査装置のデータを用いたAI・画像処理・データ解析アプリケーションや、ソリューションシステムの、要件定義、基本設計、評価、改良設計、実装(一部外注・ベンダーコントロール)
・ソフトウェア・ソリューションサービス開発におけるプロセス策定、検査、改善、支援業務
・組織全体へのアジャイル開発手法の浸透、ナレッジの展開、推進
・データソリューションサービスに関する新規事業開発、ビジネスデザイン

私は人事歴15年以上ですが、体感的にこの作業をしていない応募者が8割以上だと思います。この作業をするだけで上位2割に入れます。地味な作業ですが、非常にオススメです。

面接のポイント

社内SEの面接でいちばんのポイントは、

「情シ部門内のメンバー、そして、事業部サイドのメンバーと円滑にコミュニケーションを取って仕事を進めるだけの協調性とコミュニケーション能力がある。」

「社内のシステム開発、保守運用のプロセスやルールを覚えて、それに則り仕事ができる。」

という社内SEとしての基本動作できますよ、とアピールすることだと思います。

これができていない候補者がけっこう多いんですよね。(特にSES出身の方)

なので、面接官から過去の経験を聞かれたときには、単に「○○人月の開発プロジェクトを○○の立場で完遂しました。」ではなく、「関係者とコミュニケーションをこういう風に取ってハードルを乗り越えてきました。」といった、コミュニケーションの要素を伝えるようにしましょう。

加えて、会社ごとにシステム開発のルールがあることに理解を示し、それを早期に覚えて早く活躍していきたい、という意思を示せれば合格率が上がると思います。

社内SEへの転職で資格は必要か?

「社内SEへの転職で資格は必要か?」については、情報処理試験を中心にあれば少しは有利、くらいなものと考えてください。

それよりも、年齢と経験が大事です。「今日が人生でいちばん若い」と言われる通りなので、社内SEへの転職を考えているなら、少しでも早く行動した方が有利です。

「資格を取得してから転職しよう」は悪手です。「転職してから資格を取得しよう」が正しい思考です。